故人に関わる出費は誰が支払うの?
こんにちは、今回は栃木市の60代女性からの相続相談です。
被相続人が亡くられてからしばらくは、故人に関わる様々なことに何かとお金が掛かるものです。
葬儀費用、入院費用の精算、お世話になった方への返礼、法要、相続手続の費用等の支出が考えられます。いずれも遺産から支出するのが適当な費用ですよね。(今回は相続税等に関わる控除対象等の説明は割愛します。)
中には故人の債務(住宅ローンやマイカーローン)の支払いも残っているかもしれません。
相続する場合は債務(マイナスの資産)も引き継ぐこととなります。
このように、被相続人の死後にある程度まとまった支出が発生します。
喪主が立て替えますか?
「相続完了前に故人(被相続人)に関する支出を故人名義の口座から引き出しても大丈夫でしょうか?」
お客様からのこんなご質問でした。
このご質問、正直言うと少し回答に困ります。
理由は[大丈夫だけど、大丈夫ではない]からです。
まず、被相続人名義の口座は全ての相続人の共有です。
その為、遺産分割協議を終えた後に遺産分割協議書に則って解約等を行って引き出すのが望ましいと思います。
例外として、遺言書によって預金口座を単独で相続する場合は、当然単独で引き出すことができます。
しかし、被相続人と同居していた相続人は生前に銀行からの引き出しを任されていたりして慣れてしまっているが故に、独断で引き出してしまうケースも多いのです。
よかれと思って、死後もあれこれと会計を担っていらっしゃるのだと思います。
万が一ご自身の独断で被相続人の口座から引き出したとしても、罪に問われることはほぼありませんのでご安心ください。
[親族間相盗例]といって家族・親族間で起きた一部の犯罪の刑罰を免除したり、親告罪(告訴しないと起訴できない)とする規定が刑法にはあるからです。(そもそも今回の場合はこうした犯罪にも該当しないとは思いますが。)
但し、本来他の共同相続人の同意が必要です。
分割協議を終えるまでは全ての相続人の共有として適切に管理される必要があります。
なので[大丈夫だけど、大丈夫ではない]のです。
しかし、故人に関わるまとまった出費があるのも事実です。高額な支払いが発生するケースもあります。
個人的には引き出すのも無理はないかなとも思っています。(他にも方法はあるのですが、、、)
その場合、当サロンでは「他の相続人の方々に「[入院費用として○○万円][葬儀費用として○○万円]合計○○万円を故人の口座から引き出しました」と全て説明できるようにして、領収書は保管、出金は最小限にしておきましょう。」とお伝えします。
これについては、他の相続人がどう思うかを想像してみましょう。
葬儀費用は…あの費用は…いったいどこから出したんだろう?
出金したことを隠しているのか?
調べたら残高が減っているけれど、使途を説明してくれないな…?
こんな疑心暗鬼から
まだ何か隠しているかもしれない
と不信を招き、その後の相続協議でトラブルになりかねません。
こうした場合、早めに説明をすることをお勧めしています。
(当サロンではこうした様々な説明を[連絡文書]として各相続人の皆様にご通知し、中立的な立場から紛争性の無い相続を支援するサービスも承っております。)
こうしたトラブルに発展するリスク以外に忘れてはならないリスクがあります。
故人の口座から引き出したことによる最も大きなリスクは相続放棄ができなくなる恐れがあるということです。
場合によっては、[引き出した=相続を承認した]とみなされて、仮に資産よりも負債の方が大きい場合にもその負債を相続しなくてはならなくなります。
引き出してしまったことで取り返しのつかない大きな痛手となってしまいます。
なので、故人の口座に手を付けるのは慎重になるべきなのです。
では、故人に関する様々な支出はいったいどうしたら良いのか。
当サロンにご相談下さい!
お客様のケースに応じた最善策を専門家がご提案いたします。
凍結した金融機関への仮払申請だけでなく、速やかに必要な手元資金をご用意できるケースもあります。
相続手続に掛かる費用もご依頼者様のご負担(持ち出し)ではなく、全ての相続人の方々の共有から等分に支出する方法でフルサポートを受けることも可能です。
まずはお気軽にご自身のお悩みをお聞かせください。
[栃木県全域及び隣接県に対応しております。/無料相談を受付中です。]
相続手続・相続調査・遺産分割・預金口座の解約・各種名義変更